投稿者: shizuoka

2024.02.27

「鋼構造の腐食とその補修補強」 設計者施工者意見交換交流会

2024年2月22日(木)に(一社)日本建築構造技術者協会中部支部静岡部会(JSCA)および静岡県鐵構工業協同組合青年部会による共同開催により「鋼構造の腐食とその補修補強」および設計者施工者意見交換交流会が開催されました。参加者は、JSCA会員、適判員、一般から計29名および鉄鋼工業共同組合から計10名の方に参加いただきました。講習会講師は、静岡理工科大学 理工学部土木工学科 冨永知徳教授、日鉄テクノロジー株式会社 研究試験事業所 上席主幹 松本様にお願しました。講習会の後半では、オブザーバーとして鉄骨ファブの方にも参加いただき鉄骨製作上での設計者の要望や改善について意見交換会を行いました。
 講習では、「腐食した鋼構造への対応」と題して、腐食防食に関する基礎知識、土木分野における維持管理の概要、腐食した鋼部材の残存耐力と構造健全性維持、補修溶接で想定されるトラブルとその対処、土木における部分取り換えの事例などが紹介されました。腐食防食に関する基礎知識においては、錆の発生メカニズムから異種金属接触腐食などのメカニズムなどが紹介され注意点などが確認できました。腐食した部材の残存耐力では、錆が起きた場合の圧縮耐力の実験結果が示され非常に興味を持った部分でした。溶接による不具合は、改めて溶接割れについて学習し、何により割れが生じるのか認識できました。補修法の紹介は、土木ならではのものでボルトの本数の多さに驚きました。本講習は、今後の鋼構造の維持管理に役立ち講習となりました。もう一つの講習は、腐食調査・モニタリング技術の紹介でした。ドローンや最新の機材を用いた調査法であり、今後の調査に有効な情報でした。
 後半の意見交換会では、設計者もしくは鉄骨工業共同組合からの質疑をディスカッションテーマとして6つの班に分かれてデザインレビューを行いました。質疑内容は、ブレースの取り付き、仕口の形状やアンカーなど多岐に亘る話題でした。また、今回の講習を踏まえて防食方法や溶融亜鉛メッキなどの質疑も多くだされました。先生にも参加して頂き、質疑に対する回答をご教授いただき、大変勉強になりました。
 建築設計では、設計と生産現場のコンセンサスを取る事で、より良い建築物を作成することが大切です。この様な機会により、実際の現場での制作工程を考慮した安全で、より正確な構造物を設計出来る事が感じられます。設計での場面では気付けない点を得られる良い機会となりました。今後もこのような機会を大切にしていきます。
 次回は、5月17日にあと施工アンカーなどの講習会を予定しております。
最後になりますが、ご講演頂きました静岡理工科大学 冨永知徳教授、日鉄テクノロジー株式会社 松本様に厚く御礼申し上げます。静岡部会役員、静岡県鐵構工業協同組合青年部会の方々には、ご協力いただきありがとうございました。