委員会活動報告

岐阜部会

2022.10.01

活動状況報告(機関誌No.133より)

岐阜部会長を務めさせていただいております和田です。本年度もよろしくお願い致します。

■現在の活動状況

岐阜部会はオンラインにて2ヶ月に1回程度で幹事会を行い、会員向けの講習会・勉強会等を企画しています。

■本年度の活動方針

下記の2点を方針にあげて活動しています。

・木質系構造に関する活動の充実

・会員の増強

ひとつ目の木質系構造に関する活動の充実として、講習会・勉強会等を継続的に企画していきたいと考えています。今年度は、その第1弾として「中規模木造の建築設計の心構え」というテーマで講演会を開催します。

近年、脱炭素社会の実現に向けた動きが加速し、木質系構造には高い期待・関心が寄せられていますが、一方で興味は持っても実務設計での提案・計画には至っていない方も多いのではないでしょうか。そこで、私を含めて木質系構造に馴染みが薄い方から上級者までが楽しみながら知識を深める事を意図して、木造建築物の歴史・基礎知識からその応用・最新設計事例の紹介など、幅広い話が聞ける場を企画しました。新型コロナウイルス第7波の感染拡大を受けて開催日を8月から9月に延期したところですが、構造設計者だけでなく意匠設計者の方も設計の幅を拡げる良い機会かと思いますので、皆様の参加をお待ちしております。

ふたつ目の会員の増強について、特に若手会員の不足が課題となっています。PR活動にて認知度の向上を図る事はもちろん、イベント時のグループディスカッションなど参加者の交流を促す場を積極的に提供し、会員・非会員を問わず繋がりを広げる事で、課題の解決に努めていきたいと考えています。

上記の活動方針に加えて、岐阜県鐵構工業共同組合の青年部・岐阜構造研究会と共に活動している岐阜県建築鉄骨技術交流会に準備委員の一員として参画する予定です。コロナ禍の過去2年はオンラインツールを用いた画面越しの交流会でした。引き続き、感染拡大の状況に留意しながらの活動とはなりますが、久しぶりに鉄骨ファブリケーターの皆様と直に顔を合せた形での意見交換ができる事を期待しています。

最後に、会員の皆様には岐阜部会の活動に一層のご協力をお願いします。

2022.09.21

2022年10月 特記仕様書の記載についての意見交換

コロナ渦の中のオンライン交流会が定着している感があります。今年もオンラインでの質疑応答会の開催となりました。

第24回 岐阜鉄骨技術交流会「オンライン質疑応答会 特記仕様書の記載についての意見交換」

特記仕様書に「これは必ず書いてほしい」「この記載は必要ないのでは?」といった議論を中心におこなう予定です。
結果が出ましたら、また、このブログで発表いたします。ご期待ください。

(すみませんが、本会は会員限定で開催しています。一般の方への参加募集はしておりません。)

2021.12.01

2021年10月 座談会:鉄骨設計&製作の疑問を解消しよう・オンライン質疑応答会第2弾

あいかわらず衰えを見せないコロナ渦の中、今年も昨年に引き続きZoomを使ってのオンラインでの質疑応答会の開催となりました。

第23回 岐阜鉄骨技術交流会「鉄骨設計&製作の疑問を解消しよう・オンライン質疑応答会 第2弾」
日時:令和3年 10月20日 17:00~19:00

今年は、ファブリケーター9名、構造設計7名の参加がありました。
議事は昨年同様、会議に先立って質問を募集しておき、当日はそれにそって順に答えを出し合う形で進められました。

今年用意した質疑は
Q1.レ形溶接を隅肉,部分溶け込み溶接に変更は可?
Q2.小梁ハイスキップ構法でのガセットPL加工手間
Q3.小梁ガセットPLの隅肉溶接脚長を低減可?
Q4.小梁ガセットPLの反対側スチフナーPLは省略可?
Q5.小梁ガセットPLの1面せん断と2面せん断納まり
Q6.XY方向ともブレース構造とした場合のの製作コスト
Q7.梁の中間継ぎ手が2カ所の場合のキャンバーの付け方
Q8.通しダイヤフラムと内ダイヤフラムのがある場合の納まり
Q9.鉄骨加工全般での注意点など

前回に引き続き、白熱した議論が展開されました。

▶211020_議事録

 

2020.11.30

2020年11月 座談会:オンライン質疑応答会「鉄骨設計&製作の疑問を解消しよう」

2020年の岐阜鉄骨技術交流会は、コロナ渦の中ということでオンライン会議ソフト“zoom”を使っての異例の開催となりました。
第22回 岐阜鉄骨技術交流会 オンライン質疑応答会 「鉄骨設計&製作の疑問を解消しよう」
日時:令和2年 11月 27日 17:00~19:00

オンライン会議は、あらかじめ会員から質問を募集し、その中から1つずつ順に答えを出し合う、という形で進められました。

オンライン会議は、普通の会議より発言者が近くに見え、声も聞き取りやすい、というメリットがあることがわかり、おおいに盛り上がりました。
当日の会議の内容は下のファイルに収めてありますが、つぎの質問について討論されました。

Q1:ALC取り付けピースの取り付けは現場施工できない?
Q2:横向きH形鋼へのALC取り付けピースの取り付けについて
Q3:ブレース、小梁を剛接合とすることの経済性
Q4:鉄骨用の既製品部品はどれがよいか
Q5:省略
Q6:外壁縦胴縁とRC立ち上がりのよい納め方は?
Q7:ややまれなサイズのロールH形鋼の使用は問題ないか
Q8:薄引きH形鋼の経済性
Q9:ブレースガセットPLとベースPLの溶接について
Q10:耐震改修での現場溶接に必要なスペース
Q11:溶融亜鉛めっきに必要なダイアフラムの穴大きさ
Q12:柱幅内に胴縁を収めた場合の費用と手間増加

▶201127_質疑応答会議事録

▶201127_質疑応答会添付資料

2019.12.03

2019年11月 見学会:岐阜市新庁舎建設事業 現場見学

第21回 岐阜県建築鉄骨技術交流会は、2018年11月29日(金)に、建設中の岐阜市役所新庁舎を見学しました。

この時点で、高層部は12階まで、低層部は4階まで、鉄骨の組み立てが終わっていました。

   

現場見学に先立ち、大日本土木(株)の現場担当者さまから、これまでの工事の進展状況などの説明を受けました。

 

そのあと、高層部5階と4階の中を見学しました。

         

屋根に曲線の梁を使った低層部は、残念ながら中に入れず、高層側から見るだけでした。

2018.11.19

2018年10月 講演会:工学倫理について考える

第20回 岐阜県建築鉄骨技術交流会は、2018年10月6日(土)に、岐阜市の岐阜キャッスルインで開催されました。

今回の交流会は第20回の節目となるので、これまでとは視点を変えて、「工学倫理について考える」というテーマで関西大学の斉藤 了文 教授に講演をお願いしました。

お話の内容は、「工学倫理」という言葉からは想像できない深い内容のものでした。概略を記しますと、
*通常の倫理は、人に接する場合の対人関係について規定するものであるが、工学の倫理は、製品を作って、その製品が対象となる人に作用する、という間接的な関係であることが特殊。
*製品の設計という行為は、発注者の要求、時間、コスト、材料の性質などの物理制約の中で、条件を満たす方法を見つけることであるが、
・ 複雑で多様な価値基準。
・ 行為の影響・結果を設計中に知ることが難しい。
・ 過失による影響も大きい。
・ 組織の関与による影響も大きい。
*設計にかかわる専門家は、
・ 十分な知識を持つことが倫理的であるための第1条件。
・ 依頼人に誠実でなければならない。
・ 製品の利用者にも配慮しなければならない。 (時に依頼者の利益と相反する。)
など、多くの示唆に富むものでした。

第2部は、講演を聞いた会員が、約8人ずつのグループに分かれてディスカッションです。ここで出された意見は、
・ 設計は尊重しているが、製作側からも案が出てくる、それらが相互に伝わりにくい。
・ 互いに相手の仕事を理解することが必要。(直接 話し合うのが早いのだが・・・)
・ 質疑書が届かない、届いても遅れている、回答も届かない。といった業界の体質の問題。
(その他、細かな技術的な話は省略します。)
などの意見が出され、最終的に
* 平成21年の建築士法の改正で、一定規模以上の設計には構造設計1級建築士の関与が義務付けられたが、構造設計者の施工現場への関与は規定されていない点が問題。
ということで意見が一致しました。
今後は、現場監理に構造設計者も加わり、構造設計と施工者が直接対話ができる場を設けるよう、関係団体などに働きかけたい。
と、話がまとまったところで、今回の交流会は閉会となりました。

   

2017.11.19

2017年10月 講演会:レーザー穴あけ加工・鉄骨工場製作コスト

第19回 岐阜県建築鉄骨技術交流会 は2017年10月21日(土)に各務原の岐阜県金属工業団地(協)組合研修センターで開催されました。

今回は、講師に広島⼯業大学の清⽔⻫先⽣をお招きして
第1部 講演)高力ボルト摩擦接合のレーザー加⼯での孔あけ加⼯
第2部 講演)建築鉄骨の⼯場製作コストを考慮した構造設計
第3部 グループディスカッション)建築鉄骨のコストに関して
という内容で行われました。

第1部は、次のJASS6改正で織り込まれるのではないかと噂さされる、レーザーを使った鋼板のボルト穴加工について、多くの実験データを交えて、様々な観点から解説していただきました。

切り板加工についてはレーザー加工の方が格段にきれいにできるので、問題となるのはボルト穴加工の場合です。レーザー加工のポイントは、以下に示した点とのことでした。(下の加工サンプルの写真も参照しながら読んでください)


ぐるりと1周して穴あけした場合、始点(=終点)が2回レーザーを受けることになるので、ここにノッチと呼ばれる溶け込みができる。


ドリル加工では横に溝が入るのに対して、レーザー加工では縦に溝が入る。


レーザー入口近くは、熱で鋼が蒸発するが、深いところは溶けた鋼の熱で燃焼して切断される(酸素を送り込む)

これに関して、寸法精度、すべり係数、引っ張り耐力、はし抜け耐力、引張-変形関係、表面硬度など、数多くの実験データを示しながら解説してくださいました。それら結果を要約すると
・出口側は穴が0.5mmほど大きくなる。
・すべり係数、はし抜け耐力は、ドリル加工と比べて、とくに違いはない。(ノッチの影響は見られない。)
・引っ張り耐力は、縦の溝から亀裂が入り、ドリル加工より6%ほど耐力が小さい。
・破断時の変形はドリルより2~3割少ない。
・焼き入れ効果で奥へいくほど表面が固くなる。(ビッカース硬度が上がる)
とのことでした。
また、16mmを超えるあたりから穴周囲の加工の状態が低下してきますが、実際にレーザーを使用するのは、小梁のガセットプレートなどの複雑な形状の切取りに伴うボルト穴加工になると思われるので、厚板を加工することは、あまりないだろう。ともおっしゃられていました。

第2部は、柱梁接合部(いわゆるサイコロ)の柱絞りあり/なしの比較を中心に、製作コストを次の式で評価することを提案されていました。

CF = kf*TP + kf*TB + kf*TW + kf*TI
CF:製作コスト
TP:一次加工労務時間
TB:組立労務時間
TW:溶接労務時間
TI:情報労務時間
kf:労務単価(円/時間)

これに、材料コストを加えたものが、全体の鉄骨加工のコストになるというものです。
実際の3つの例でこれの比較をされていましたが、製作コストと材料コストは相反する傾向があるため、全体のコストは絞りあり/なしで違いが相殺される結果になり、その時の鋼材単価をみて設計方針を決めることになるだろう。とのことでした。

第3部は、恒例のグループディスカッションです。8人ぐらいずつ6つのグループに分かれ、材料、加工、運搬のコストを低減する方法についての討論を行いました。

講演会のようす
     

レーザー加工のサンプル

2017.10.01

活動状況報告(機関誌No.113より)

今年の新年互礼会で、岐阜部会長から退くことを中締めの挨拶で宣言しましたが、諸事情により、引き続きもう一期だけ岐阜部会長を務めさせて頂きます。皆様のご協力を頂きながら、微力ではありますが岐阜部会のさらなる発展のために頑張りたいと思います。

広報誌『JSCA中部106号』では、岐阜部会の主たる活動である岐阜県鐵構工業協同組合青年部会さんらとの「技術交流会」の中締め的な総括を行い、新たな方向性についても報告させて頂きました。その活動は、鉄骨製作者、構造設計者、行政・学識者の三者が合同で議論できる場であり、昨年度は「鉄骨造の耐震補強例」の発表を中心に計画して10月26日に第18回を実施し、今年度も第19回を計画中です(10月21日開催予定)。今回は広島工大の清水斉先生に講師をお願いし、鉄骨製作における孔あけ加工「レーザー孔の是非」の座学、さらに鉄骨製作コストについての知見を得るため、清水先生の「最小コスト設計に関する研究」をはじめ、実務におけるコスト影響因子の四方山話を交えて、小グループ毎のディスカッションにて議論を深めようと考えています。現在、その四方山話の話題を模索中です(材料費、運搬費、下地処理費などのコスト比較)。

先生と交流会の打合せをするべく、7月31日に広島工大へ出向きました。「いつもこうやって講師の元へ出向いて打ち合わせしているの?」っと( たぶん)歓心をされ、建築学会大会の準備でお忙しい中、広島の原爆ドームの案内、広島県鉄構工業会およびJSCA中国支部の事務局への挨拶の機会を作って頂き、最後には「名物 お好み焼き」にて懇親・懇談をさせて頂きました。その時、今回の交流会も上手く行く事を確信しました。

また、意外な紹介から別の交流会が発足し、今年の5月30日に第1回目を行いました。それは三菱電機(昇降機関係)稲沢製作所さんとの設計・施工に対する質疑応答(意見交換)という形式で、世界最速EV(当時)“SOLAE”、円弧状に昇降するスパイラルエスカレーターの試乗の機会も頂き、それらも含め交流が持てました。

岐阜部会という小さな集団で対峙できることは限りがあると思われるので、次回からはJSCA中部支部としての活動に発展していければ、と考えています。

この交流会では、様々な職種の方々が同様な分野で、立場の違う人同士の交流といいますか、接点を持てずにいることを改めて感じ、設計者と施工者が寄り添う必要性を一層強く感じました。些細なことでも互いに聞き合える関係を持つこと、急速に進んでしまった職能の専門化・技量不足を補うべく、互いの職能に交わりが持てる、もしくは設けられるように各交流会を位置づけていければと思います。

来年は鉄骨建築技術交流会も第20回という節目にあたります。ものづくりの原点に立ち返ることができるようなテーマを、今から考案中です。