委員会活動報告

静岡部会

2022.10.01

活動状況報告(機関誌No.133より)

静岡部会の部会長を務めさせていただいております堀野です。

令和3年度の静岡部会の活動としては、12月に静岡理工科大学建築学科の太田達見教授をお招きし「コンクリートのひび割れ要因とその対策」と題し、対面での講演をしていただきました。

令和4年度に入り、4月に「静岡理工科大学士木学科棟」(RCコア+S造)の現場見学会と地盤調査会社(株)ジーベック様土質研究所での土質試験勉強会を企画、開催してきました。

8月3日には(株)キトー様のご協力により、「クレーンの構造解説と設計・デイテールについて」と題した講習会を企画、開催しました。コロナ禍ではありますが静岡部会員の半数にあたる28名の申し込みがあり、非会員も含めて、定員40名での開催となりました。

前半は(株)キトー様によるクレーンの構造概要説明や計算方法についての解説、後半は参加者によるクレーンの構造設計についての意見交換会を行いました。意見交換会には鐵構工業協同組合有志の方にもオブザーバーとして参加していただき、クレーンメーカー、設計者間で疑問点や注意点等、活発な意見交換を行いました。

クレーンの設計荷重については「鋼構造許容応力度設計規準」に記載はありますが、詳細な解説が無く、設計者毎に異なる設計、デイテールを採用しているのが現状です。今回の講習会、意見交換会を通して参加者のクレーンについての理解が深まる一助になればと願っています。(株)キトー様には、講習会開催にご協力していただき、この紙面を借りて御礼申し上げます。

JSCA静岡部会としては、今後も地域部会として出来得る活動を続け、構造設計者のみならず他団体との交流も図り、次の世代へJSCA静岡部会の活動が継承出来るようにしていきたいと考えています。

2022.08.10

「クレーン構造解説と設計・ディテールについて」講習会

2022年8月3日(水)JSCA中部支部静岡部会にて静岡県建築技術安心支援センターと協賛開催により「クレーン構造解説と設計・ディテールについて」講習会が開催されました。参加者は、JSCA会員、適判員、および一般から計36名の方に参加いただきました。講師は、株式会社キトー 小川明弘様、米山幹郎様にお願いしました。講習会の後半では、オブザーバーとして鉄骨ファブの方にも参加いただきクレーンの設計やディテールについて意見交換会を行いました。
講習では、下記の内容について解説頂きました。
1.クレーン概要
2.クレーンの種類および用途
3.クレーンに関する用語
4.ホイス式天井クレーンの構造と各部の名称
5.クレーンに関する法律
6.クレーン等安全規則の対象となるクレーン
7.質疑(設計する上での疑問)
クレーンの種類や用語では、普段何気なく使っているものに対してその機能や役目を再確認することができました。各外力の計算方法や走行レール許容限度など、鋼構造基準が標準と思っていましたが各社での違いがあることは新鮮でした。資料に一部訂正がありましたので、掲載しておきます。
後半の意見交換会では、クレーンの設計に対して各社の設計スタイルで行われているのが実情で、さまざまな意見が出ました。意見交換会で出された内容は、一覧表として掲載しています。特にバックガーターの有無や形状についての意見が多く、各社でさまざまな工夫がなされているのが興味深かったです。その他、ランウェイガーターの接合方法や繋ぎの方法などについての意見が活発でした。意見交換の感想として、クレーンの設計は統一的ものがなく設計者の創意工夫で設計されているのだと感じています。その中でさまざまな意見が聞けたことは、今後の設計において大きな成果でした。
最後になりますが、ご講演頂きました株式会社キトー 小川明弘様、米山幹郎様に厚く御礼申し上げます。
また、今回の講習は、コロナ第7波の中で開催できましたが、まだまだ対策が必要な状況でその中で多数のご参加を頂きありがとうございました。開催に当たっては、検温、消毒、会場の50%程度の定員と対策を講じました。静岡部会役員、静岡県建築技術安心支援センターの方々には、ご協力いただきありがとうございました。

▶220803_意見交換メモ

▶220803_講習会資料

   

2021.12.08

「コンクリートのひび割れ要因とその対策」講習会

2021年12月6日(月)JSCA中部支部静岡部会にて静岡県建築技術安心支援センターと協賛開催により「コンクリートのひび割れ要因とその対策」講習会が開催されました。

参加者は、JSCA会員、適判員、および一般から計32名の方に参加いただきました。講師は、静岡理工科大学理工学部建築学科 太田達見教授にお願いしました。

講習は、コンクリートのひび割れ発生要因やその対策等について解説をしていただきました。講習内容は、「ひび割れとは」からひび割れの種類、ひび割れの発生要因、ひび割れの制御設計や発生防止の基本的考え方まで多岐にわたります。ひび割れの種類では、改めて基本的なひび割れの要因からどのようなひび割れが発生するかなどイラストを交えてわかりやすくご説明いただきました。ひび割れの発生要因では、以前からコンクリートの単位水量が問題視されておりましたが、近年では単位水量の上限が規定されている中で骨材の収縮率の影響が多きことがグラフなどの資料から説明いただきました。また、ひび割れ発生防止では、分かりやすく各条件での数値や具体的な対策方法などをご紹介いただきました。特に、究極の収縮低減策の事例で清水建設の「ゼロシュリンクコンクリート」が紹介され乾燥収縮率100μとほぼひび割れが発生しないことに驚きました。

講義後は、多数の質問がありました。数件紹介させていただきます。①Q.漏水で近くのひび割れを補修しても止まらなかったが、思わぬ箇所を保守した時に止まった。漏水の原因を特定できるのか。A.漏水に関しては完全な対策がないのが現状である。②Q.誘発目地は鉄筋を切るべきか。A.答えとしては切るべき。鉄筋の拘束があるとひび割れが発生する。③Q.石灰石はなぜ効果があるのか。A.石灰石は収縮率が小さい。コンクリートの配合は、70%程度が骨材なので骨材の影響が大きい。などの質問がありました。今後の業務においても今回の講習を踏まえた設計を行っていきます。

今回の講習は、緊急事態宣言解除されコロナ感染者数が落ち着いた中で開催できましたが、まだまだ対策が必要な状況でその中で多数のご参加を頂きありがとうございました。開催に当たっては、検温、消毒、会場の50%程度の定員と対策を講じました。静岡部会役員、静岡県建築技術安心支援センターの方々には、ご協力いただきありがとうございました。

   

2021.01.07

「地盤の水平変位を考慮した杭応答変位法計算概要解説」講習会

2020年12月10日(金)JSCA中部支部静岡部会にて静岡県建築技術安心支援センターと共同開催により「地盤の水平変位を考慮した杭応答変位法計算概要解説」講習会が開催されました。参加者は、JSCA会員、適判員および各行政機関を中心に計22名の方に参加いただきました。講師は、ユニオンシステム(株) 開発部 部長 高森文雄様、株式会社トーヨーアサノ 開発営業部技術営業課 課長 青山光浩様にお願いしました。講習内容は、昨年に建築基礎構造設計指針が改訂され、地盤変形による杭応力を考慮した杭の設計が加えられました。改定を受けて、この9月からは一貫構造計算プログラム「Super Build SS7」にも地盤の水平変位を考慮した機能が追加され、応答変位法による杭の設計が一般的に行われる環境が整いつつあるため、本ソフトである杭の応答変位法計算内容、入力条件、算定結果等について解説していただきました。又、後半は応答変位法を用いた杭設計を既に行っている株式会社トーヨーアサノ担当者様から、応答変位法による実際の設計を交えて応答変位法の計算内容の解説をしていただきました。

ユニオンシステムの応答変位ソフトは、「SuperBuild/SS7 Op.杭応答変位法」になります。地盤の水平変位を考慮と上部構造からの慣性力を考慮した杭の設計が可能です。地盤ばねには、変形1cm未満の非線形を考慮した設定が可能です。また、液状化判定によるΔDcyを加算するすることが可能です。杭の応力は、地盤変位と上部構造の慣性力の影響に対して地盤と上部構造の位相差および影響度合いを設定する必要があります。応力の重ね合わせとして一般的によく用いられるSRSS(二乗和平方根)は使用していませんでした。トーヨーアサノ担当者様は、応答変位法の概略と実例3例をご説明いただきました。ここでの応答変位法には、地盤調査から設定される地盤モデルやSRSS(二乗和平方根)による応力重ね合わせが用いられていました。実例は、大規模な免震倉庫であるため、上部構造の慣性力より地盤変位の影響が大きいものでした。今後の課題として、地盤調査による地盤ばねの設定などの理解が必要と感じました。応答変位法は、現段階ではまだ一般的な設計に用いるにはハードルが高いと感じました。特に地盤調査の内容などが大きく影響すると感じました。

   

2020.03.25

「鉄骨造 溶接部の欠陥要因とその防止策及び構造設計・施工における諸問題」講習会のディスカッション内容

「鉄骨造 溶接部の欠陥要因とその防止策及び構造設計・施工における諸問題」講習会でのディスカッション内容がまとまりまとまりましたので掲載します。

▶220325_講習会ディスカッション

2020.03.04

「鉄骨造 溶接部の欠陥要因とその防止策及び構造設計・施工における諸問題」講習会を終えて

2020年2月20日(木)JSCA中部支部静岡部会にて静岡県鐵構工業協同組合青年部会と共同開催により「鉄鉄骨造 溶接部の欠陥要因とその防止策及び構造設計・施工における諸問題」講習会が開催されました。参加者は、JSCA会員が19名、静岡県鐵構工業協同組合会員が24名の計43名の方に参加いただきました。講習の前半は、日鉄溶接工業株式会社 品質管理部商品G 主幹 斎藤雅哉様に「溶接部の欠陥防止策及び建築鉄骨向けの溶接材料・溶接管理方法」、後半はリョウユウエンジニアリング株式会社 榊原友紀様に「超音波探傷試験内容と操作方法の解説」の説明頂き、その後に実際に試験機を使用して超音波探傷試験の体験を行いました。講習会では、溶接に関する基礎知識を得ることができました。体験講習では、実際の試験機を使用して傷を探す作業を行い、今までよく理解できていなかったことが明確になりました。また、溶接不良のサンプルなども展示され、不良箇所の状況が実体験できました。

講習会の後半は、静岡県鐵構工業協同組合青年部会とのグループディスカッションが開催されました。全体を6班、1班8名程度に分けて行われました。ディスカッションは、グループリーダーを1名としてディスカッションが進行されました。各班のディスカッションは、事前に頂いた議題をもとに設計者の立場と鉄骨製作の立場での意見交換がなされ、設計にも十分活用できる議論が出来ました。ディスカッションでなされてた議論の内容は、同HPで後日掲載します。今後もこのような会が開催されることが期待されます。

     

本講習会のあとに懇親会が開催され、30名ほどが参加されました。こちらの方も講習会で議論不足だった点や鉄鋼業界の現状など話しが大変盛り上がりました。今回の講習会より、定期的にこのような設計者側と施工者側の積極的な交流の場を設ける要望が多数でました。今後もこのような講習会等を開催しますので是非ご参加ください。

2019.12.12

「固有値解析・FEM解析の実務への応用」

2019年12月6日(金)JSCA中部支部静岡部会にて静岡県建築技術安心支援センターと共同開催により「固有値解析・FEM解析の実務への応用」講習会が開催されました。参加者は、JSCA会員、適判員および各行政機関を中心に計47名と多数の方に参加いただきました。講師は、ユニオンシステム(株) 開発部 係長 國光 修五様、(株)構造ソフト 開発部 部長 竹田 昌廣様にお願いしました。固有値解析の応用は、主に外力分布と固有周期の計算についての解説がありました。各社のソフトより算出する方法とその数値計算の方法が説明されました。外力分布では、1次~3次モードの刺激関数を用いて二乗平方根(SRSS法)により求める方法を詳しく解説頂きました。また、その結果を用いてAi分布、SRSS法、応答解析結果の比較が紹介され、SRSS法による結果が全体の概ね平均的な値を表していることが確認されました。FEM解析では、メッシュ分割数による解析結果の精度の違いやメッシュ形状による解析結果の差異が紹介されました。また、スラブ、耐震壁、階段などの解析例も紹介されました。今回の講習による知見を今後の設計に是非活用していきたいです。

質疑応答は、スラブの応力解析において小梁のサイズの影響などが議論され、別途回答を頂くことになりました。回答は本ホームページで紹介します。

       

本講習会のあとに忘年会が開催され、25名の方が参加されました。こちらの方も講習会を担当さえましたソフトメーカー講師を交え、今後のソフト開発などの話題があり、大変盛り上がりました。今後もこのような講習会等を開催しますので是非ご参加ください。

以下、質疑があった「スラブ解析例の小梁変形とスラブ変形の差異」について株式会社構造ソフトからの質疑回答です。

▶191212_質疑回答

2019.09.22

鉄筋コンクリート柱梁接合部(プレキャスト部材)におけるヒンジリロケーション接合部の実験見学

2019年9月11日(水)静岡理工科大学、丸田教授のご厚意により「鉄筋コンクリート柱梁接合部(プレキャスト部材)におけるヒンジリロケーション接合部の実験」の見学を開催して頂きました。本実験は、柱梁接合部を高強度鉄筋により補強を行い、梁のヒンジ位置をスパン内側に移動させる工法です。これにより、接合部のプレキャスト化が簡素化されます。実験では、コンクリート設計基準強度を低強度を用いて接合部破壊させて試験体もありました。実験中の試験体は、コンクリート強度が高い試験体の加力実験を行っており、ヒンジ位置が制御されている結果を一部確認できました。このように、実際に接合部がせん断破壊した試験体やモニターで正負交番載荷により履歴ループを描く様が見れたのは貴重な体験でした。丸田先生ありがとうございました。今後も静岡理工科大学での実験見学が開催される際には是非ご参加ください。

   

2019.08.29

「基礎設計のための地盤調査とそこからの杭設計・施工等」講習会における質疑回答

先日の講習会における質疑回答をジーベック様より頂きましたので掲載いたします。

「講習会質疑回答:PL値(液状化)の扱い等について」

○液状化の影響が無視できる場合
・PL値が5以下(「2015年版 建築物の構造関係技術基準解説書」p476~477参照)

○液状化層の地盤反力係数の低減
・液状化判定の後、補正N値Naより水平地盤反力係数を低減する(「建築基礎構造設計指針2001」p69の図4.5.14参照」

○液状化層の上に非液状化層が存在する場合(「建築基礎構造設計のための地盤評価・Q&A」p181参照)
・非液状化層が硬質地盤や粘性土地盤の場合は、下図の液状化層の影響を受けにくいため、そのまま非液状化層として扱ってよいと考えられる。
・地下水が深いことから非液状化層となっている砂質土層の場合は、液状化層の過剰間隙水圧の影響により地下水が上昇する可能性があるため、液状化層と同等に扱う方が良いと考えられる。

2019.08.04

基礎設計のための地盤調査とそこからの杭設計・施工等

2019年8月1日(木)JSCA中部支部静岡部会にて(NPO)静岡県建築技術安心支援センターと共催により「基礎設計のための地盤調査とそこからの杭設計・施工等」講習会が開催されました。参加者は、JSCA会員、適判員および各行政機関を中心に計73名と多数の方に参加いただきました。講習の前半は、株式会社ジーベック 技術部 渡辺直様に「基礎設計のための地盤調査内容とその目的及び結果の読み方」、後半には株式会社トーヨーアサノ 開発営業部技術営業課 青山光浩様に「地盤調査結果を活かした杭の設計・施工、最近の動向」の2講演を開催しました。地盤調査では、日頃行っている標準貫入試験から高層建築等に用いるPS検層・常時微動測定など基礎的な範囲から高度な範囲まで幅広く講習をして頂きました。また、事前の会員からの質問に対してもQ&A形式でお答えいただき非常に分かりやすい講習でした。特に液状化関係では、FL法やPL法の取り扱いが今後の設計に活かされる内容でした。杭基礎の講習については、旧38認定から最新の高支持力杭について、詳しく説明して頂きました。また、杭基礎についても、事前の会員からの質問に対してもQ&A形式でお答えいただきました。転石の取り扱いなどは、改めて注意事項が確認でき、設計に活かされる内容でした。

今回の講習に対する質疑は、JSCA中部支部静岡部会にお問い合わせください。回答は、本ホームページにて公開致します。